アーティスト:Nas
アーティスト
:Nas
レーベル:Sony
発売日:2002-12-13
CD
Music
ナズとジェイZを比べる必要があるだろうか? おそらく必要ない。けれども、このニューヨークで最高のMCのトラックを聴くと、リスナーは比べられずにいられなくなる。本作はジェイZのより洗練された『Blueprint 2』と真正面から張りあっても返り討ちにあうだけかもしれないが、ナズ自身の仕事は決して悪いものではない。実際、素晴らしく印象的なトラックがそろっている。「Made You Look」や「Last Real Nigga Alive」(「どうしてジガはひどい奴なのか」と語るナズの定番)はストリート志向の白熱したトラックだし、アルケミストがプロデュースした「Book of Rhymes」はファン待望のウィットに富みながらも内省的なリズムをもったトラックのお手本だ。だが、曲数を詰めこみすぎたことと、とっくの昔に亡くなった2パックとのまた新たな共演など、余計なゲストが多すぎたことが、本作のマイナス点になっているという印象は逃れられない。それに、限定盤特典のディスク2の女嫌いの退屈なナンバー「P***y Kills」はなくてもよかったはずだ。サラーム・レミによるビートを取り入れた「Zone Out」もその共演者より、いかしたライムの方が価値がある。そういった短所はあるものの、本作のほとんどのトラックではナズのフロウはしっかりと的を押さえている。(Rebecca Levine, Amazon.com)
レビュー All Reviews by Amazon_AWS[ECS]
平均評価:4
評価:5 まさに神の子
デビュー作で高い支持を集めすぎると、2作目がリリースされた時、実際が平均点以上であったとしても、リスナーの過度な期待のため、本来の評価より下の評価を与えられてしまうことがある。
ナスのアルバム2作目以降が「ILLMATIC」を、超えていないと言われていても、ナス自身の、表現者としての評価が下がったことは、決してない。
個人的には、このアルバムに対する、世間の評価を期待してしまう。早い話、デビュー作を超える可能性の有るアルバムだと思う。
ジェームズブラウン「Funky Drummer」をサンプリングした、心に染み入る絶妙な間合いが何とも言えない「1」
否が応にも興奮せずにはいられない「Apache」使いの「3」(NYの各ストリートを巡るPVがカッコ良すぎ)
誰でも知っているベートーベン「エリーゼのために」を大胆に使って、更に子供の声まで入れちゃってる反則な「7」
アリシアキーズ参加の「11」は、ビックリしました。
今作は、リスナーが、また次回作に期待を寄せてしまうほどの傑作。しかし、ナス本人は、きっと全くプレッシャーを感じていないだろう(そしてカッコ良い)
評価:4 個人的には
1stのILLMATIC、前作のSTILLMATICの方が好きです。ストリートに回帰しようとしているのは凄いわかるんだけど、ILLMATICのヤバさには到達できなかった感があります。あと、STILLMATICに比べて「これ!」って曲が少ない気もしました。でも、1曲目のGET DOWNから明らかに‘‘NASは違う’’と感じさせられました。3曲目のMADE YOU LOOKにもヤラれた。トラックがなくなっても、あれほどのラップをするなんて考えられないからだ。彼のキャリアにおいて大きな意義のあるアルバムになることはマチガイないだろう。ラッピンスキルは確実にレベルアップしているんだから。
評価:5 戻った。
ヒップホップ史に残るクラシック、イルマティック、大ヒットしたセカンド。これらがNASにとって相当重荷なのは間違いない。NAS自身がタイトルにスティルマティックとつけるあたりは苦悩すら伺える。しかし、そのスティルマテッィクの出来も全くだった。その意味で今回のアルバムはNASが原点に回忌したアルバムといえるだろう。作品の方向性は初期のものとは違うが、JAY-Zとのビーフを超越した今作は、イルマティックに次ぐ傑作かもしれない。
評価:3 NASの代表作になることは間違いないでしょ
1stアルバムの衝撃から8年、ここにNasはまた傑作を叩き出した。彼のフロウに関してはもはや何も言うことはないが、そんな彼のフロウが最も冴え渡る形でのトラックが所狭しと詰まっているアルバムである。先行シングル(3)からして話題騒然であったが、そんなシングルに引けを取らないトラックが数多くあるのは頼もしい限り。Eminemプロデュース(2)も、予想以上にNasとの相性はいい。ビートがまんまEminemなのは愛嬌としてトラックは非常にヘヴィでクール。(6)の硬質なループ・トラックにのせて地に足の着いたフロウを聞かせるNasはやっぱり否応なしにかっちょいいし、ベートーベンをサンプリングした大ヒット中の2ndシングル(7)も、あくまでもストリートの範疇でこの曲をサンプリングしたまでで、単純にトラックがクール!で言うことなし。Alicia Keysをフューチャリングし彼女自身がプロデュースした驚きの(11)も、NasとAliciaの相性のよさを示した好例だし、総じてアルバムの密度は高い。アルバムの大半を任せたSalaam Remiとの組み合わせも成功している。やっぱり彼はストリートに根付いた音作りをしているのが一番だね。1stまでとは言わないが、かなりレベルの高い1枚であることは間違いない。渋いっす。
そしてBonus Discには3曲の新曲が収録。(1)ではNasのフリースタイルが収められていて、ファンならずとも注目。彼のスキルの高さが感じられるトラックなのでは?フロウのレベルの高さを実感できる。続く(2)(3)は、ビートが硬質でダークなトラック。ストリートを意識したような作りで、単純にビートがかっちょいい。更にNasのインタビューやMade You Lookのビデオクリップまでをも収録しており、かなりお得です。
評価:3 原点回帰
ストリートを意識したという今作は、JBなどの大ネタを使用したナズの原点回帰が見られる。相変わらずナズのフロウは今作でも冴え渡っているし、サラームレミとのコラボレーションも大方は成功している。「ILLMATIC]を超えることはないがナズの代表作となることは間違いない。
収録曲
Disc1:1.Get Down 2.The Cross 3.Made You Lock 4.Last Realn**** Alive 5.Zone Out 6.Hey Nas 7.I Can 8.Book Of Rhymes 9.Thugz Mansion 10.Mastermaind 11.Warrior Song 12.Revolutionary Warfare 13.Dance 14.Heaven
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